旧山口邸

旧山口邸

旧山口邸

旧山口邸は平成27年に鹿沼の山口トヨ子氏から、生前古民家の保存・再生や有効活用を進めている町への寄贈に関心を示していた夫の故信夫氏の遺志を継ぐかたちで寄贈を受けました。

この住宅は施工に携わった大工は不明ですが、福井県今立郡片上村(現在の鯖江市)出身である、信夫氏の祖父金松氏が明治41年に建てた木造平屋建ての、越前型の間取りの特徴である8畳4間の意匠を残した農家住宅です。山口家は農地解放までは地主の家柄でした。浄土真宗が盛んで格式が高く扱われる上層の越前地方住宅の特徴である、仏間の上手に仏壇の間、座敷の奥に僧侶が休憩する坊主の間が設けられていることから、この住宅も農家住宅の中でも上層のものであることがわかります。


旧山口邸梁部

旧山口邸梁部

また、現在では蓄積量が極めて少ない貴重な木材であり日本では古くから病魔をはらい、寿命を延ばす「延寿」の木として親しまれてきた「エンジュ」が全体的に使用されている貴重な遺構です。

建築後、約100年の時を山口家と共に歩み、時代や生活に合わせて意匠はのこしながらもその姿を変えていった旧山口邸ですが、再生することによって建築当時の様子や暮らしをわたしたちに伝えてくれることでしょう。