北海道 厚真町

厚真町に住んだきっかけ

安部英志さん（以下、英志さん）：もともと教職員の仕事をやっていたのですが、定年退職を機にゆっくり暮らせる場所に移り住みたいなと思ったんです。最初は東川や中標津などで、林があって宅地が広いところを探していたのですが、たまたま厚真町役場のホームページで今住んでいるフォーラムビレッジのことを知って、見に行ってみたんです。その時、当時のまちづくり推進課の担当者さんが丁寧に案内してくれて、すごい厚真の印象が良かったんです。それから1年間、季節ごとに厚真を訪れ、その良さを確かめてみて、やっぱりいいなって思って。それで、厚真に移ることを決めました。

安部さとみさん（以下、さとみさん）：私は生まれも育ちも、畑のある十勝の田舎。広い場所にぽつんと家があるようなところだったんです。その点、厚真は雰囲気が似ているせいか心地が良いし、ここで老いていこうかなって思っています（笑）。

暮らす場としての厚真

英志さん：朝起きるとヤマゲラが木をつつく音や、色んな鳥の鳴き声が聴こえるんです。それは、いいなぁって思いますよね。窓を開けても、自動車などの人工的な音とかは聞こえないですから。

さとみさん：厚真は、やっぱり自然が豊かですよね。毎日の暮らしの中で、リスとか鹿とかの動物たちと普通に出会います。あと、家と家との距離も十分に離れているから、うちの犬が吠えても迷惑にならないのは大きいですね。

英志さん：住んでみて感じたのは、厚真は悪い人がいないってことです。僕は、転勤族だったので札幌や横浜などの大きな都市での暮らしも経験しているんですが、そういったところと比べても厚真の人たちは道で会うと挨拶してくれますし、何かと親切です。また、今、宮の森こども園で園長として働いているんですけど、子どもたちと接していて感じるのは、みんな擦れていないってこと。僕が初めて園を訪れた時から、子どもたちがそばに寄ってきて、ニコって笑いかけてくれるとか。人懐っこいなぁって思いますね。ほのぼのとした感じ。時間がゆっくり流れているせいですかねぇ。なんとなく、僕が小さかったころの北海道のイメージ、のんびりした雰囲気がこの厚真には残っている気がしています。

さとみさん：そういえば、厚真を訪れた本州の人が「日本にもこんなに時間がゆっくり流れるところ、あるんですねぇ」って仰っていましたね。

厚真で気に入っているところ

さとみさん：春夏秋冬、季節感をすごく感じられることは気に入っています。違いがくっきりあるというか。食べ物も美味しいですよ。特にジンギスカンが有名です。それと、先日東京から息子の友だちが来てくれたんですが、お食事を振る舞ったら「野菜が美味しい！」って喜んでくれました。特に玉ねぎを気に入ってくれたみたいですね。厚真ではハスカップが採れるので、それで作ったハスカップ漬けをおにぎりの具として握って出ししたら、それも評判良かったです。

英志さん：深呼吸すると、空気がうまいなってつくづく思います。あと奥さんが言うように、季節、季節がはっきりわかります。寒かったら寒いし、暑かったら暑いし。春になると植物がわっと芽吹いてきて、生命の息吹を感じられるのも厚真の特長じゃないかな。札幌とかの都会で暮らしていると、なかなか感じないようなことだと思います。そして、夜は星が綺麗。特に寒い時はすごいです。

さとみさん：それに、ホタルも見れますよね。ホタルが家から見えるんです。

英志さん：そうそう、家の近くの小川のほうにホタルが飛んでいるのが見えて。ふと上を見上げたら木がクリスマスツリーみたいに光っていていたんです。ものすごく綺麗でしたね。7月中旬から下旬に厚真に来るなら、ぜひ見てほしいですね。

さとみさん：秋になると、フォーラムビレッジの入り口のところにある紅葉が色づいて、ものすごくきれいなんです。訪れたみなさん、写真をよく撮っています。

英志さん：ここで暮らしていると、週末、冬ならスキーのインストラクターをやったり、薪割りをしたり。チェンソーで木を切ったり。夏は物置をペンキで塗ったり。

さとみさん：平日だけじゃなくって、週末でもなんだかんだとやること、たくさんありますよね。

英志さん：もし厚真への移住を迷っている人がいるなら、「まず一度住んでみては？」ってアドバイスしますね。僕らはたまたま縁があって厚真を選んだけども、人によって合う合わないはあるから、一度試しに住んでみたら良いと思いますよ。住んでみたら、どこの街も、それぞれいいところがあるはず。住んでみて、家族にも意見をじっくり聞いてから、決めるといいんじゃないかな。

さとみさん：厚真町内には、数日間短期滞在できる家もあるので、そこで厚真の生活を試してみるのもいいと思いますよ。