厚真町の古民家のタイプとしてよくみられるのが、「越中造民家(富山県)」、「加賀型・能登型民家(石川県)」、「越前型民家(福井県)」の3つのタイプです。
特に、越中造民家の特徴的な家屋構造の「枠の内(わくのうち)」づくりの古民家は10件以上確認され、平成25年に移築再生した旧畑島邸も枠の内づくりの広間があります。
構造の特徴は、カミダイコク(上大黒柱)とシモダイコク(下大黒柱)の間にウシバリ(牛梁)と呼ばれる太い横梁を渡し、この上にハリマモン(梁間物)という縦梁を直交させて架けます。
柱と柱の間にはヒラモン(平物)と呼ぶサシガモイ(差鴨居)で結ばれ、ヒラモンの上は、天井まで2枚の広い貫きで固めその間は白壁とします。
富山地方で使われている材料は、総ケヤキを最高とし、スギ、ヒバ、マツなどが使われており、枠の内づくりの大きさが家格の象徴と言われています。町内の古民家で使われている材料は、この地域に多く生えていたカツラが多く使われていますが、その中で旧幅田邸においては富山地方から船で運んだとされるケヤキが使われています。