令和3年度ヒグマ講習会
令和3年10月20日に開催したヒグマ講習会には、16人の参加がありました。 講習会では、ヒグマの生態やヒグマとの接し方について学びました。 会場からの質問の時間も設け、さまざまな質問が寄せられました。
ヒグマの生態や特徴について
- 日本における陸上では最大の野生動物である。
- 食性は雑食性で、季節により食べる物が違い、手に入りやすいものを食べる。一度食べた食物に執着性がある。
- ヒグマの糞は、タヌキの糞と間違われやすい。糞の新鮮なものと古いものの混じり具合や消化状態に違いがあり、よく観察することで判別の手掛かりとなる。
- 活動範囲は、1週間程度で10km四方の範囲を移動することがある。10km四方とは例えば町内富里地区からむかわ町市街地地区までが範囲に入ります。
- 鼻がとても良い。
- 出産時期は冬であり、400g程度の子供を産む
ヒグマとの接し方について
- まず出会わない工夫が大切となる。 熊鈴の使用や、山の中の見通しの悪いところでは、手をたたいたり、声を出すことも有効である。
- ヒグマも人を避けるように行動していることが確認されている。 熊鈴を付けた人が近づいてくる前に、ヒグマが人を認識し、避けるように移動する動画が紹介される。また、ヒグマの生息数は道内で1万頭を越えているとされているが、人身事故件数は平均で年3件程度であり、基本的には人を避けている可能性が有る。
- 出会った時は、ヒグマから目を離さず、ゆっくりと後退りするように離れる。決して、背を向けて走って逃げたりしない。
会場からの質問
Q.ヒグマの出産について(子離れと妊娠の関係)
A. 子供と一緒にいる間(子供が1歳~2歳)は、繁殖ができない。交尾をするためにオスが子供を殺して、繁殖可能となったメスと交尾をすることもある。
Q.登山中の獣臭はヒグマのものなのか。
A. ヒグマの可能性は低い。刺激性のある獣臭かと思うが、経験上ヒグマの体臭とは違う場合が多い。強い臭いの場合、キツネであることが多い。
Q.福島町で人身事故が有った。大千軒岳に登りたいが、今登っても大丈夫か。
A.人を食べた形跡が有ったとのことだが、執着性があるので、一度人を食べたヒグマは度々人を襲う可能性が高い。本来そういうクマは人に近づくのですぐに駆除される。しかし、今回はまだ駆除に至っていない。よくわからない状況なので、今は行かない方が良いのではないか。
Q.フキノトウなども食べるとのことだが、家の裏にフキノトウが生えているが、ヒグマは食べに来ないか。
A.フキノトウは自然界に沢山あるので、あえて家の近くにフキノトウを食べる目的では来ないと思われる。一方、畑は自然界に無い高栄養なものが沢山ある状況なので、その作物を食べる目的で、何度も来るようになる。今は、簡易に設置できる電気柵もあるので、設置して対策する必要が有る。
Q.厚真町では、ヒグマの目撃情報が良く放送される。同じ地球上の仲間として共生はできないのか。
A. 厚真町も北海道が示している有害個体を判定するフローに沿って個体を識別して、捕獲すべき個体だけを捕獲している。共生イコール全く捕獲をしないということではなく、人とヒグマの間に適切な緊張関係を築くことが大切。
Q.音を鳴らすことで、かえってヒグマが寄ってこないか。
A.状況による。人や人が持っているものを取りやすい餌として認識してしまえば、食べ物に執着する性質により、寄ってくることはあるかもしれない。しかし、先ほどの話の中でもあったようにヒグマも人を避けていると考えられ、音を鳴らしたことによって積極的に人に寄ってくるケースは少ないと考えられる。
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(令和4(2022)年10月19日 更新)