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厚真町指定文化財~アイヌ文化関連出土品~
物件名
厚幌ダム遺跡群出土の擦文・アイヌ文化期の精神及び葬送儀礼に伴う遺物群
種別
有形文化財/美術・工芸品
点数
1点(329点の一括指定)
指定日
令和4年(2022年)11月25日
内容
上幌内モイ遺跡や上幌内2遺跡、オニキシベ2遺跡の3ヵ所から出土した約1,000年前から約400年前にかけての、北海道などの先住民族アイヌの方々に係わる儀礼場跡やお墓から出土した遺物群です。
今から約1,000年前のたき火跡の周囲から出土した焼けた擦文土器や、青森県産の須恵器壺、平安貴族が使う朝鮮半島産の銅鋺(どうわん)やキビ団子などは、現在のアイヌ民族伝統儀式のカムイノミ(神々に感謝・豊穣を祈る儀式)の源流と考えられています。
また約800年前のアイヌ民族のお墓からは、道内最古の和鏡(京都産)、鎌倉時代の御家人の腰刀、ガラス玉(福岡県産や中国産)のほか、国内最多数の大陸産とされるコイル状装飾品などの本州、東アジアにわたる広い交易活動を示す高価な遺物も多数出土しています。
これらの出土遺物は、アイヌ民族が今から約1,000年前から受け継いできた伝統文化の長い歴史を示すとともに、海を越えた活発な交易活動を行っていた躍動感のある厚真川流域のアイヌ民族の姿を示す大変貴重な資料です。
なお、今後も地元、厚真アイヌ協会のカムイノミ・イチャルパ(先祖供養)を共に執り行い、先住民族アイヌの方々の誇りと尊厳、民族共生社会への相互理解促進に努めていきます。
指定物件
※画像等の無断転載を禁じます。ご利用の際には教育委員会社会教育グループへご依頼ください。

上幌内モイ遺跡 儀礼場跡出土遺物(約1,000年前)
擦文土器、須恵器、鉄のやじり、銅わん、焼けた骨、炭化したキビ団子、黒曜石など

上幌内モイ遺跡(約900年前)のお墓から出土した副葬品
土器・刀子・鎌・黒曜石など
上幌内2遺跡(約800年前)のお墓から出土した副葬品
首飾り(和鏡・コイル状装飾品・ガラス玉など)と錫製の装飾品

上幌内2遺跡のお墓から出土した京都産和鏡(秋草双鳥鏡)
※上の写真左側のもの
上幌内2遺跡(約800年前)のお墓から出土した副葬品
漆塗り鞘に納められた腰刀や刀子、骨のやじりなど
上幌内2遺跡(約800年前)のお墓から出土した副葬品
金メッキの飾り金具を伴う鎌倉御家人の腰刀
オニキシベ2遺跡(約700年前)のお墓から出土した副葬品
首飾りのセット(和鏡再加工の鍔状銅製品・ガラス玉・メノウ玉・古銭)

オニキシベ2遺跡(約700年前)のお墓から出土した副葬品
漆塗りの皿(膜片)
北海道内唯一のスタンプ文漆器。鎌倉幕府や北条氏と直接的関係性を示す資料

- オニキシベ2遺跡(約700年前)のお墓から出土した副葬品
銀装飾の飾り矢筒と刀子
矢筒の角九曜文は近現代のアイヌ民具にも受け継がれています 
- 上幌内モイ遺跡(約400年前)のお墓から出土した副葬品
蝦夷太刀と骨製中柄
鍔には銀装飾が施されています。 - ※上記の指定物件は、一部を除いて軽舞遺跡調査整理事務所で見学できます。見学をご希望の方は、軽舞遺跡調査整理事務所(電話:0145-28-2733)へ、事前にご連絡をお願いします。
- <軽舞遺跡調査整理事務所のページへ>
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厚真町指定文化財がシンガポール国営放送で紹介されました

厚真町有形文化財のアイヌ文化関連の遺跡出土品が、シンガポール国営放送の歴史文化番組で紹介されました。
北海道を中心としたわが国の先住民族アイヌの歴史や今に息づくアイヌ民族、伝統文化の紹介番組です。番組は45分構成で、うち約4分間、軽舞遺跡調査整理事務所に保管されている国内唯一の約900年前のアムール川流域極東ロシアとの交易品である鉄のやじり、約800年前の道内最古の和鏡や約500年前の丸木舟が取り上げられています。
英語の番組ですが、日本人、日本語のコメントのほか、アイヌ文化に関連するきれいな景色や遺跡、出土品、文化伝承の様子など様々な動画が紹介されています。Hokkaido's Near-Forgotten Ainu People, Who Thrived In Nature<外部リンク>
教育委員会では、数多くのアイヌ文化関連の資料を保管しています。今後も各種団体などと協力しつつ、文化財の利活用を進め民族共生の多様性豊かな厚真町の歴史文化を紹介します。
生涯学習だより2月号(2023年2月24日発行)でも、厚真町からの出土品取材の様子などを紹介しています。


